【実写銀魂2】再現度には大満足!でも些細な設定変更で物語の面白さが半減!?

 
銀魂2、観てきましたよ。
 
今回はムビチケ買って準備万端!
 
旦那は沖田、私は土方
 

銀魂2 掟は破るためにこそある

 
今回の内容は、ギャグ回の将軍弄る系と、シリアスパートの動乱篇のミックス。
 
 
MEMO
動乱篇は原作の19〜20巻に収録されていて
コミックは2007年8月に発売。
アニメでは2008年4〜5月に放送されてます。

 

 
ってことは、アニメで動乱篇観たのは10年前!
 
この頃は社会人になりたてでストレスも多く
当時彼氏もいなかった私にとって、銀魂のアニメは唯一の楽しみで癒しだった気がする(^_^;)
 
仕事も大して忙しくなく、17:30の定時で上がって
ダッシュで家帰って(確か)木曜日の18時はアニメ銀魂をリアルタイムで観てました。
あぁ、いろんな意味で懐かしい。。。
 
 

動乱篇といえば。

 
私が好きなシーンは
 
近藤さんの乗った列車を追いかけるところで
ヘタレのトッシーから本来の土方に覚醒するシーンと
 
屋台船での
高杉の「俺の唄にはノれねぇか」のところ。
 
初登場の万斉さんの人物像が分かった回でもあり
その中で万斉さんと高杉は、他の鬼兵隊のメンバーとはちょっと違う立ち位置で
主従ではなく対応な仲間関係にあることをこのシーンで理解したことを覚えています。
 
(さらにそれを決定付けたのが、後々の2人の牢獄でのやり取りかな。)
 
動乱篇では、真選組もさる事ながら
高杉の洞察力に注目させられた回だったなぁとも。
 
当時はまだ高杉の良さをよく分かっていなかったけど
伊東が本当に求めているものは何なのか。
本人さえ気付いていない潜在的な欲求を見抜いた高杉はさすがだなと。
 
それを理解していたからこそ、非道にも利用し得たのだと。
 
ちょっと懐かしくなり、実写観た後で原作を勝って読んでみました。
長らくアニメ派だったので、この頃の原作は初めて。
 
 
んで。
ここまで書いていて思いましたよ。
これ全く映画の感想綴ってないって! 
原作・アニメの動乱篇の感想になってる!
 
でも、今回の映画は原作の掘り下げなしには感想語れないなと思いました。
 
…率直に映画の感想を申しますと
 
アニメで初見だった動乱篇を見たときの感動や感嘆を
映画ではあまり感じられなかった、です。
 

豪華俳優陣の再現率が相変わらず高い!

 
個人的に、映画館に足を運ぶ前に気になっていたのは
 
将軍散髪回の髪の毛引っ張られるシーンの再現度と
今回初登場の、万斉さん・伊東鴨太郎・さっちゃん達のクオリティ。
 
実写になるとどんな感じ?っていう
前作でも抱いていた期待と不安を携えていたのですが
 
その気になるシーンは、見事な再現率で大満足!
 
将軍の顔は、若干やり過ぎ?とも思ったけれど(^^;
 
さっちゃんは、あの接待篇だけの登場では惜しいなぁと思うくらい、しっくりきてた!
もっと色んなシーンを見せて欲しかったなぁ。
 
前作からのキャストも良くて
 
特に沖田とかは惚れ惚れするくらい、本当カッコよかった!
 
吉沢亮の他の作品は観たことないけど
原作の沖田を凌駕するクオリティだなぁと思った。
殺陣のシーン、ここは何回でも観たい。
 
柳楽優は、見事にトッシーと土方を演じ分けていて
アニメと比較しても、素晴らしかったと思う。
 
 
肝心の?佐藤二朗さんのシーンは、前回と違ってあまり笑えなかったのが残念。
 
途中、出演者も笑いを堪えきれず…みたいなシーンが
前回もあったし勇者ヨシヒコでもあったけど
あぁいうシーンは福田作品観てるなぁって感じで良かったです、はい(笑)
 

この実写映画で足りないものは何だろう

 
ただ。
 
再現率
その映画そのものが面白いか
 
というのは別の話で、必ずしもイコールにはならないな、とも思ったり。
 
いや、お金払って映画観に行く価値自体はあったと思います。
普通に面白かったです。
 
それなのに、なんで、そこまで心に響いてこなかったんだろう?
 
ちょっとそれを突き詰めてみたく
 
この感想文綴る前に、他の方々のレビューやブログを読んでみたんです。
 
そしたら、私なりの答えが見つかりました。
 

伊東鴨太郎と真選組の関係性

 
他の方のブログなどでは
伊東の子供の頃の生い立ちや、孤独感、どうしてあんな思考・思想を持ち真選組を乗っ取る企てをするに至ったのか
それは回想シーンで観客側は理解出来たけど
当の真選組の隊士達はそんな理由知る由もない。
なのに、何故、反乱分子である伊東を最後には許し絆(いと)に繋がれる演出に成り得たのか。
そこに疑問を抱く意見もありました。 
 
成る程、確かにそう言われるとその通り。
 
でも不思議と、アニメを観た時にはそう思わなかった。忘れてるだけかな?
 
そういう視点を携えてこの度初めて原作を読んでみたけど
 
うん、確かに
どこのタイミングで伊東を仲間として受け入れたの??
 
って感じではありました。
 
でもこれ。
かなり強引で偏った意見になりますが
 

「それが真選組なんだ」

 
・・の一言に尽きるのかも、と思ったり。
 
この、銀魂の真選組が新選組をリスペクトして出来上がった世界観だと分かっているし
銀魂の中の真選組の19巻までと20巻以降を知っているから
 
だから、私自体が
描かれていない部分を脳内で勝手に捕捉するような思考回路に自然となっちゃっているからかもしれませんが(^_^;)
 
 
お人好しな近藤さんは伊東の良いところをまるっと受け入れていたし
 
土方も、伊東を嫌いだと思っていても、
彼の内面を一番理解していた。
(理解していたからこそ、殺したいと思ったのでしょう)
 
単純に、
真選組に伊東が入隊してこの一年半の間、描かれていないところで
伊東自身も気付かなかった、仲間としての絆が既に出来上がっていた
 
…のかもしれない。(かもしれない、ばっかだな)
 
でもそれを肯定するだけのエピソードは原作からも読み取りづらい。
 

あの設定は変えなかった方が良かったのでは

 
そんな中で、土方のヘタレになった経緯の設定が大きく関わっているのではと感じまして。
 
映画では、伊東の策略によりヘタレチップを意図的に土方に埋め込むという
 
悪意によって土方を葬り去る過程があったから、より一層伊東の悪者イメージが強まってしまったけど
 
原作では、伊東の知らないところで
土方が勝手に妖刀手に入れて、知らぬ間にヘタレになっていた訳で
 
この違いは結構大きいのではないかと思うんです。
 
だって、これ、些細な設定変更ですけど
最初の伊東の登場シーンの解釈がガラリと大幅に変わるから。
 
映画の設定だと
ヘタレチップを埋め込み、攘夷浪士に襲われた土方を見て、それを助けるまでの一連の出来事全てが伊東の策略です。
 
原作だと
妖刀によりヘタレになったことは知らないけどそれでも攘夷浪士に襲われている土方を助けています。
 
真選組隊士が襲われていると思い駆けつけてみれば…
 
なんて言っているので、最初は土方が襲われるとは気付いてなかったのかもしれませんが。
 
襲われている真選組隊士を、咄嗟に助けるだけの純粋な仲間意識はある
って捉えることが出来る。
 
伊東が土方を助けたことになり、結果的に弱味を握らせてしまうことになったにせよ
 
土方が襲われている理由を
知っていて助けるのと
知らないで助けるのとでは
 
印象変わりませんか?
 

嫌いだけど仲間としての実力は認めている。

 
それは高杉に対する銀さんや桂と同じ匂いを感じるんです。
 
幾度となく銀魂の世界で見せつけられてきた友情のちょっと捻くれた姿、みたいな。
 
そういう意味で、映画の設定でいくと、伊東の情状酌量の余地ゼロなんです。
 
最初から仕組んでいたし
仲間を助ける些細な一面ですら掬い取るシーンが無かったから。
 
最初映画観た中では、
なるほど、妖刀ではなくチップの設定かぁ
それも不自然じゃないなぁ
 
と思いましたが
 
こうして、よくよく掘り下げると
この妖刀からチップへの設定変えは
伊東の人柄(真選組との絆に繋がるような些細な糸口)を観客に与えられず
 
強いては映画の良し悪しに繋がるような、大きな路線変更だったのではと思えるのです。
 
もっと言うと、妖刀の設定のままなら
前作の鉄子も出てくるし、映画としても続編という繋がり感が出て良かったんじゃないの〜?って思うんですが
如何でしょうか?

おさらい感が拭いきれなかった

 
他にも原作にあったのに省いてしまったシーンはいくつかあって
 
近藤さんが、隊士の事を
部下ではなく五分の対等な同志であると明言しているところ
→近藤さんが隊士から慕われる人柄が伝わる
 
あんたは真選組の魂だ
俺達はそれを護る剣なんだよ
 
土方のこの台詞が、妖刀と相俟って本当の意味でオチがつくには
ヘタレチップの設定では無理があること
 
そういう、もっと真選組の熱いところを映画は伝え切れていなかった。
 
伊東が土方の手を取るシーンで
 
僕は君が嫌いだ
俺はお前が嫌いだ
 
いずれ殺してやる だから
 
こんなところで死ぬな
 
この台詞に繋がるまでの心情を、ちゃんとすくい上げて欲しかったなぁ。
 
原作にはなくても、映画でそれを補えるくらいの回想シーンとか(あの、みんなで呑んだくれてるワンシーン以外に)
 
設定変えるくらいなら、そういう解釈をプラスα加えて入れて欲しかったなぁ。
 
折角の実写映画化なんだから。
折角の豪華俳優陣揃えてるんだから。
 
そういうのが、この映画に足りなかった部分じゃないかと思いました。
 
だから、、なんだか「おさらい感」が拭えなかった。
 
おさらいとして観るには楽しい。
でも物語の本当に面白い部分を観るには物足りない。
 
そんな感じでした。
 

万斉さんとのアクションは、わざわざ将軍を絡める必要があったのか

 
アクションシーンやスローモーションなどの演出に疑問を呈する意見もありましたが
 
それは動乱篇に将軍や片栗虎辺りが絡んできたところから違う物語になっていたし
 
一度アニメを知ってからこの実写を観ている側としては
特に深く考えることはなかったです。
 
ただ、やっぱりそのまま原作通りにして欲しかったなぁ…くらいで。
 
ギャグパートとシリアスパートに繋がりを持たせる為なのかもしれないけれど
そこを重視したが故に、全体的に物語の良いところが削られてしまった感が否めない。
 
ネコバスならぬ、アライグマバスはクスッとしちゃいましたが(笑)
りんご洗いながら猛進してる!みたいな(笑)
 
ま、一言でまとめると
キャストの再現度は良かったけど、原作の大事なところ省かないで欲しかった。
 
です!
 
 

追記

 
三浦春馬、鴨太郎しっくり来てたな。
上手いなぁ。
最期の笑いながら死んでいくシーン、良かったなぁ。
 
 
あと、ネバネバネバネバネバネバ〜のところ
思わず吹き出しちゃった(笑) 
 
銀さんが一人ジャケット片手に歩き始めるシーンが出てきた瞬間に、踊る大捜査線のパロディだって気付いて、最後まで抜かりないなぁと思った。笑
真選組≒警察に掛けたのかな?
 
しかし、踊る大捜査線があのエンディング使ってたのってもう15年とか20年前だと思うんだけど
今時の10代にあのパロディ通じるのかな?なんてぼんやり思いつつ^_^
 
そういう細かいギャグとかパロディを楽しめたから
☆3.5ってところでしょうか(^^)
 
実写銀魂2の評価
ギャグ・パロディ面白度
(4.0)
キャラ再現度
(5.0)
ストーリー
(2.5)
総合評価
(3.5)