【銀魂72巻】喜々の生き様から読み解く。史実を巧みに操るところが銀魂の魅力の一つ。

 何だか最近のこの気まぐれブログは

銀魂の感想しか綴っていませんな。

 
他の漫画も読んでるんですよ。(電子書籍とかで)
 
ただ、登場人物の内面を考察をしたくなるような
 
時間と労力費やしてまで感想をインターネット上にアップしたいと思うような
 
そんな作品が今は銀魂だけなんです。
 
ということで、今回もネタバレ感想、歴女感満載で綴っていきます!
まだ読んでいない人は、こちらからどうぞ!

 72巻あらすじ

 
銀魂とは
■著者:空知 英秋
■掲載:週刊少年ジャンプ
■巻数:72巻(2018年3月現在)
2017年7月に実写映画化されました。
 
圓翔と高杉。常に戦場に身を投じてきた者同士、剣を交えた先に待つのは、さらなる復讐の連鎖か、
それとも!?
一方、地上では龍脈の暴走を止めようと、ある者たちが奔走していた。定春もなにやら単独行動に!?
 
引用:銀魂72巻より

史実とは違う末路を迎えた喜々

 
喜々は、何となく長生きしそうな気がしていました。
 
引用:銀魂72巻
 
 
銀魂って、ざっくり形は違えど
それとなく史実の人物と同じような境遇、というか展開を迎えているんですよね。
 
 
坂本辰馬は、
攘夷戦争中に右手を損傷して刀が持てなくなっています。
モデルとなった坂本龍馬も、寺田屋事件で右手の親指を損傷。
左手も人差し指と親指を斬られその傷はかなり深いものだったそう。
 
 
 
沖田総悟のモデルとなった沖田総司は、25歳(27歳との説も)の時に結核でこの世を去っています。
銀魂の作中では、病没する役目を姉のミツが請け負う形で描かれました。
 
 
 
高杉晋助のモデルとなった高杉晋作も、結核で27歳で亡くなっていますが
これは将軍暗殺篇から烙陽決戦篇の間、高杉が長い眠りについたところで
「(一度)死んだ」ことを表現したんじゃないかなぁと解釈できます。
 
 
 
近藤勇は、戊辰戦争で新政府軍に追い込まれ 
流山にて自ら出頭し、結果罪人として首を刎ねられていますが
ここの近藤勲は、さらば真選組篇で負った顔面の疵が、その役目を担ったのかなぁと捉えることができます。
(罪人として牢にも入れられてましたし)
 
 
もっと初期でいうと
桂小太郎は真選組に追われる中、ラーメン店の女店主幾松に匿われて難を逃れる回がありましたが
モデルの桂小五郎(後の木戸孝允)も、恋人だった幾松に同じように助けて貰っているんですね。
 
ギャグ回でいうなら、真選組の斎藤終が
真選組立ち上げの時に姿が見えなかった理由に
故郷から江戸に上京する際に隊から逸れてしまい、無口すぎて色んな国を転々として合流が遅くなってしまったから。
 
という回がありましたが 
実際モデルの斎藤一も、初期の壬生浪士組の時のメンバーにはおらず、後から新選組に入隊しています。
 
 
…と、まぁもっと色々あるはずですが
パッと思い出せるのはこんな感じ。
 
 
 
幕末史大好き人間からすると、こうして微妙に解釈変えながら作中にリンクさせていく巧妙さが
なんとも堪らんのが銀魂の魅力の一つなんです。
 
 
 
そういう史実からみてみると
徳川慶喜は、明治維新後もカメラなど趣味を謳歌しながら77歳まで長生きしたみたいですから
この戦が終わった暁にはきっと喜々も、、、と思っていたんですがね。
 
 
でも、銀魂的にはこれがすごく自然な展開なんだなと読んでいて思いました。
 
 
史実の徳川慶喜は、評価が二分される将軍です。作品によって描かれ方が違うというのも、
あの激動の幕末において彼の成したことの大きさがそうさせているのかもしれません。
 
敢えて此処では深く触れませんが。
 
 
そして銀魂での喜々はヅラに「史上稀に見るひどい暗君だった」と言われています。
 
(それから「それにも負けぬひどい家臣たちだった」と自分らを評している訳ですが)

 
これって
 
ある面から見たら暗君だったかもしれない。
というか、初期はどの面からみても暗君そのものだった。

 
でも国を護らんとするその心と生き様は
立派な王=名君と呼べるものだった。
 
数年後、数十年後、数百年後に最後の将軍がどう評されているかは分からないけれど

今自分たちはそれをちゃんと分かっているよ。

 
そういうことだと思うのです。

歴史に「もしも」はないと言いますし
歴史って、どれが良くてどれが悪かったって一つの答えの枠に当て嵌められない
そんなところが面白いところでもあると思うのですが
 
徳川慶喜はまさにどちらとも形容できなかった存在だったんだろうと思われ。
銀魂での喜々もまたそんな人だったんだろうなと思うんです。
 
 
 
「この国にもう将軍はいらぬ」
 
 
 
それを色濃く、意味を深め、これからの世の中の道標となるために



彼の存在は必要だったんですね。そして死さえも。
 
ただ、結果的に解放軍の暴挙を止めることは出来たものの

もっさん、ヅラ、高杉の遣る瀬無い顔を見てしまうと
 
やっぱり戦は、戦争は、悲しみしか生み出さないんだなと感じてしまう訳です。
 
引用:銀魂72巻
 
 
銀さんも以前にそんなような事喋ってましたよね。(記憶が曖昧…)

 
大義ある戦なんて、存在しないんだなと。
 
そういう経験を、彼らは10年前にもしているんですよね。
 
戦って、血を流す以外にこの答えに辿り着けたらどんなに良かったか。
 
まぁ虚という存在がある以上、戦いは避けれなかった訳なんですが。。。
 
それにしても、続々と登場人物たちが死んでいく。。。辛い。

夜兎家族の愛情が斜め上に行き過ぎてる

神威は身体を呈してまで妹守るようになって、口は悪いけど幼少期のように家族想いの兄貴に戻ったようで。
 
 
そんな息子を飛び蹴り(っていうのか?この技は何て言うの?)して
 
「親より先にいこうとする奴を誉める親はいねェよ」と仰っております。
 
 
 
妹庇うのはいいけど、それで自分が大怪我したら親としては心配だし
 
しかもその大怪我してまで戦うなんてもっと心配だからちょっと退場しておきな=休んでおきなとか
 
(砕けて言うと、つまりはそういうこと)言っちゃう星海坊主の親心。
 
 
 
お互い不器用すぎて、愛情表現が常人には分かりづらいです。笑
 
 
そして、地球に家族が揃い踏み。
同じ方向みて走る親子3人の背中は
マミーの念願が叶って、何ともホロリとくる場面です。
 
引用:銀魂72巻
 
 
そして、この神威の表情がなんかツボ。
 
なんか好き。
 


引用:銀魂72巻
 
 
そして、それを見守る銀さんの目が優しすぎる…!
 
引用:銀魂72巻
 
 
そして、締めくくりが
 
 
 
神威
 
「やっぱり持つべきものは息子だね。
娘はいずれ他に持ってかれるが息子は親父をほっとかない。」
 
 
 
星海坊主
 
「まったくだ。
いつも命狙われたり
腕をもがれたり
髪ひきちぎられたり
 
愉快な家族を持ってお父さん幸せだな!」
 
 
 
ってとこ、やっぱりなんかめっちゃ笑った!笑
 
引用:銀魂72巻
 
 
いや、親父不憫すぎるだろ。
 
踏んだり蹴ったり過ぎるだろ。
 
息子のほっとかなさ加減ヤバイすぎだろ。
 
それを愉快な家族っていう一言でまとめられる親父の大きな愛に感服ですね!笑笑

質問コーナー262

そういえば、今回の72巻の質問コーナーに
高杉の包帯の件が載せられていました。
空知先生が答え言ってますが、「呪い」だそうです。
細かいところはアレですが←
ざっくり解釈あってたんじゃないでしょうか?
今回はあんまり書きませんでしたが、高杉やっぱ裏切らないカッコ良さですね。
良かったらこちらもご覧ください。

定春がついに動き出す

 
この72巻で、定春が劇的に物語を動かすのでは?と予測していたんですが、
なんだかそれは次巻に持ち越な感じです。
 
 
 
それにしても、狛子が可愛い。
 
手のひらサイズが可愛すぎる。
 
引用:銀魂72巻
 
毎週ジャンプ読んでいる旦那が
「銀魂は終わりに向かっているけど、
『あ、この人いたわ~』っていう展開になっているから
まだ暫くは終わらなさそうだよ」と言っていました。
 
読者が忘れているような伏線を回収しているようです。
 
本誌は私は一切読まないので、ネタばれはしないよう
いつも厳重注意しているのですが、まぁこれくらいのヒントなら良しとしよう・・・。
いや、でも逆に誰なのか気になるわ・・・汗
 
またもう一度1巻から銀魂読みたくなるやん・・・。
銀魂72巻の評価
ギャグ度
(4.0)
シリアス度
(4.0)
喜々切ない度
(4.5)
総合評価
(4.0)